松風文庫スタッフのおすすめの1冊をご紹介

松風文庫には多種多様な本が集まっています。

宝探しするような気持で、いつもと違う本を手に取ってみませんか?

 

ここでは本が大好きな松風文庫スタッフ、本を読んでこなかった読書初心者のおすすめの本をご紹介します。

本選びの参考にどうぞ。


百年の孤独

G.ガルシア₌マルケス 鼓 直 訳 新潮社 1972年

 2024年、何かと話題の「百年の孤独」です。

作者のG.ガルシア₌マルケスが没後10年を迎えるに期して、同出版社が文庫化。

また動画配信サイトNetflixで映像化も予定されています(12/11配信スタート)。

 

読書の素人が手を出して良いものか...。年月を重ねた本のカバーが私を牽制します。

しかし宮崎人たるもの、高鍋の黒木本店「麦焼酎 百年の孤独」があるからには押さえておかねばならない一冊なのではないか!と!!!!(飲酒もド素人ですが。)

 

たくさんの人達が読んで十分に熟成されたこの1冊に、私のうぶな左側頭葉をぶっこんでみました。

全314頁。46頁で断念。※文庫版では全672頁。つまり文庫版で換算すると90頁くらいは読んだことにはなるという強がりを添えておきます。

本当にこれが世界で46言語に訳されたベストセラーなのだろうか...(無知ゆえの失言です)。

登場人物が誰が誰だかわからない。登場人物に感情移入する暇のない物語の展開。よく分からない比喩表現。

文字がツルツルの側頭葉をうわすべりして何も分からなくなっていきます。そして眠ってしまうのです。

 

「あきらめました。」

粘りのない私の根性を諫めることもなく館長は「あらそう。」と本の返却を認めてくれました。

 

でもまだわかりません。なんせ12月には実写の配信が始まるのです。

私が読んだ46頁は、この布石だったのかもしれませんし、

配信を観て相関図を把握した私が、またあの重い1972年の表紙をめくることも十分に可能性があると思うのです。

 

そしていつかドヤりたい。

「私は『百年の孤独』をよんだことがある。」と...。

 

 


猫を処方いたします。

石田 祥 PHP文芸文庫 2023年

 

巻末に「この物語は、フィクションであり…」とことわりがきがある。

いや、そりゃそうでしょう!

…とつっこみを入れて0.5秒。でも、、、。

 

人の言葉を話さぬ猫の意思表示、なんと豊かなことか。

(猫の)目は口ほどにものを言い。

逆に話せないからこそ、人間から猫の気持ちに歩み寄り推し量り、猫に対してはコミュニケーション能力を最大限に発揮している節がある。また能力は成長する。

それって、そのまんま人間社会にスライドすれば、随分スムースな社会になるのでは?

 

フィクションでありながら、読後、心に猫を処方された一冊でした。

 

みんな、猫飼えばいいのに。


利休にたずねよ

山本兼一 PHP文芸文庫 2010年

 

第140回直木賞受賞作

映画化もされました美しい物語です。

「美」に生きるのか、生かされているのか、呪われているのか…

内容は、読めば圧倒的吸引力でその時代の他の物語もあさりたくなるほどの面白さですが、

……このかぎ裂きのページ!!!!

明らかに猫です。何が猫の逆鱗に触れたのでしょうか、二度三度、ひっかいています。物語に没頭して仄暗い茶室にこころを置いて猫に構わなかったのが気に食わなかったのか、はたまたちょうどそのページに虫でも這っていたのか、ただの爪とぎか。

幸いというべきか、ページの下端なので欠損した文章もほんの少し。物語にさほど障りはありません。どうしても気になるなら、大ヒット作なのでどこかで立ち読みでもできそうです。(←だめ。)

こういう不完全さも、松風文庫ならではだとほほえましかったり、まさに「利休好み」だったり、という感じです。


テスカトリポカ

佐藤 究 KADOKAWA 出版 2021/2/19

 

恐ろしい恐ろしい・・・

こんな「松風文庫」と真逆の空気感、

床下に塩で固めて封印しておいた方がいいのではないかと思わせる1冊です。

 

しかし、「これ面白いわよ~」と声を弾ませて紹介してくれるのだから

松風文庫の運営チームは一筋縄ではいかないのだなと納得する部分もあります。

本棚を見渡せば、確かに他にも「人の闇」な本がちらほら。

 

松風文庫の「のんびり」「ゆるゆる」の結界に守られて、ホラーな本を読むのは

真冬に炬燵でアイスを食べるようなエンタメ性があるのではないかと思います。

 

イン・イシトリ、イン・ヨリョトル・・・こ、、怖いっ!!

 


空海を知る

 夢枕獏「沙門空海 唐の国にて鬼と宴す」巻ノ一~巻ノ四

 司馬遼太郎「空海の風景」上下

 

普段読んでいるジャンルではないもの…

手を付けなかったタイプの本に出会えるのも、まちライブラリーの醍醐味ではないでしょうか。

人とのつながりがあってこそ飛び込めた1冊、そしてそこから広がる好奇心。

 

紹介者は空海にすっごく詳しくなったみたいです。

 

 


「おふろだいすき」

出版 福音館書店 1982年

作 松岡享子 絵 林 明子

 

柔らかな線、色、おはなし 

こどものまなざしに寄り添うような作風がやさしく読み手の心に残ります。

 

松風文庫では毎月第1・2・3土曜日、10:30~11:30 に、読み聞かせ会を開催しています。

事前申し込みは不要です。お気軽にどうぞ。

 

 


「だから医学は面白い―幻(ビジョン)を追い続けた私の軌跡」

出版 日本医事新報社 2014年

著者 日野原重明

 

 

かつて聖路加国際病院の院長として、かの地下鉄サリン事件では素晴らしい采配をふるい、多くの被害者を救った日野原先生。

 

医療従事者の目から見た日野原先生の姿。

 

当時103歳の日野原先生の思う「医学」について、私たちにわかりやすく説いてくれます。

 


「京都桜名所」

出版 SUIKO BOOKS

著者 水野 克比古

 

春にお出かけしたくなる1冊

京都は歴史やグルメ、いろんな角度から旅を楽しめますが

「桜」で楽しむ京都

これ以上、雅な京都旅があるでしょうか。